さて、公開を待ちに待っていた『ノルウェイの森』観てきました。
私にはとにかく最高でした。
何から書けばいいのか迷ってしまうけれど、落ち着いて順番に。
まず私は、トラン・アン・ユン監督のことを信頼して観ていたみたい。
『青いパパイヤの香り』を観たときに、こんなにもすてきな光の加減や 瑞々しさを表現する人なら『ノルウェイの森』の世界も素晴らしい映像にしてくれるに違いないと思っていたのです。
そして、映像は期待を裏切らない本当に美しいものでした。
その映像の美しさだけで何度もゴクリと息を飲みました。
空気感まで映像で表現できるのです。
『青いパパイヤ』のときは高い湿度を感じたけれど、この作品では肌を裂くような張り詰めた鋭い空気を感じました。
そして、基本的に私は村上作品の「僕」に恋をしているのですが、松山ケンイチくんの「僕(ワタナベ)」には息ができないくらいドキドキしました。
話し方が素敵で、やさしい表情が素敵で、全体的にセクシーなのです。
特に、強風の中、直子と2人で木によりかかっているところと雪の中で「楽観的なんだ」と言っているところの彼の表情が印象的です。
思い出すだけでキュンとなります。
動ではなくて静の優しさがにじみ出ている感じなのです。直子に対しても。緑に対しても。
緑を演じた水原希子ちゃんも明るくて強くて、話し方がかわいくて、 役に似合ってるなあって思いました。
村上春樹の作品の会話って、実際に声に出してみると相当風変わりになると思うのだけど、 それが自然に受け入れられたの。
そして、ワタナベに対する気持ちがとても愛らしいの。
彼女の登場する中で好きなシーンは、やっぱりプールかなー。
ハツミもレイコさんも美しかった。
直子は・・・。直子は、難しい。誰がやっても納得がいかないのだろうと思う。私の中では。
うん。あれは、酷です。
そして、作品としては、行間が多くて、観る人それぞれがそれぞれの想いで行間を埋められるような余白がある作品だなあと思いました。
観る人1人1人の原作によせる想いや想像を尊重した作品なのです。
逆にいえば、原作を読んでいない人がこの映画だけを観ても全然意味がない気がする。
あと、ワタナベが阿美寮を最初に訪れた夜のシーンは、あれはああせざるを得ないなと思いました。
完璧な姿は映像化することはできないから。
そして、音楽と沈黙の使い方や映像の変わり方とかがヌーベルバーグの映画のようでした。
お洋服もみんなすてきだった!
インテリアもすてきだった!
特に緑の部屋はビートルズの”Norwegian Wood”を聴いて私が想像していた「彼女の部屋」と似ていてうれしかったです。
欲をいえば、緑のお父さんとのキウリのシーンとレイコさんの過去の話が含まれているとよかったなあ(好きなのです)。
でも、病室でお父さんと2人になったときの松山ケンイチくんのはにかんだような笑顔で上手に凝縮されているなあと思いました。
それにレイコさんのことは、重きを置き始めると際限がなくなってしまうしね。
これは、映画館で観たほうがよい作品です。
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13 Dec 10 at 11:21 am